禅の視点 - life -

禅語の意味、経典の現代語訳、仏教や曹洞宗、葬儀や坐禅などの解説

日々の綴り

「死なないように思えても人は必ず死ぬ」問題をどう解くか

「死なないように思えても人は必ず死ぬ」問題をどう解くか 『平家物語』の冒頭の一節。 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、…

曹洞宗とは

曹洞宗は禅宗と総称される宗派の1つ。お釈迦様を本尊とし、道元禅師と瑩山禅師の2人を「両祖」と称して敬っている。坐禅を重んじ、修証一如の真理を体現するため、修行によって悟りをあらわすという修行観をもっている。どのようなお経が読まれるのか、どの…

超宗派を掲げる仏教と「本当の仏教」問題

超宗派を掲げる仏教と「本当の仏教」問題 最近の若手仏教僧侶は宗派の垣根というものをあまり感じていないように思う。「超宗派での活動」というような、既存の宗派仏教の枠組みにとらわれない動きも近年よく見聞きする。私自身も少し前に、宗派に関わらず仏…

永平寺での修行中に一番厄介だと感じた公務

もしも永平寺で修行経験のある者ばかりが集まり、どの公務がもっとも嫌だったか、つまり大外れ公務を議論する場があったとすれば、一体どの寮舎のどの公務が候補として挙がるだろうか。内輪でしか盛り上がらないこと間違いなし、でも内輪に限れば大盛り上が…

アーナンダがブッダの侍者になったときの話

アーナンダがブッダの侍者になったときの話 ブッダには、常に行動をともにした侍者がいた。アーナンダである。このアーナンダは、ブッダの従兄弟にあたる人物だったと考えられている。 ブッダの実母であるマーヤーはブッダを産んですぐに亡くなっており、ブ…

サイコロは十人十色

サイコロは十人十色 高校生の時、学校で講演会が開かれたことがあった。講師は全国の刑務所を訪問して講演を続けている方で、受刑者にどのような話をしているのか、刑務所とはどのような場所なのか、そんな話を1時間聴いた。 講演の終わりのほうで、講師の方…

小池龍之介「解脱失敗とその懺悔」について思うこと

2018年秋頃から解脱を意識しはじめた小池氏は、遊行の旅における瞑想によって完全な解脱に至ることを考えた。 そして実際に寺を出て、雲の如く水の如く遊行生活(野宿生活)へと入っていった。 しかし2019年3月に至り、遊行生活を断念した。 その理由を、小…

【お経の種類】曹洞宗でよく読まれるお経・経典一覧

お経とは経典に「御」の字を付けた言葉で、要するに経典のこと。 経典とは仏教の教えが説かれた書物のこと。 したがってブッダが説いた言葉は、基本的にすべてお経と言ってしまって差し支えない。そしてこのお経は、正確に数を数えることができないほど、じ…

4月8日は降誕会(花祭り) ~ブッダが生まれた日~

人は誕生日を祝いますよね。 じつは仏教でも毎年、開祖であるブッダ(お釈迦さま)の誕生日を祝っています。 それが4月8日の「降誕会(ごうたんえ)」。 一般的には「花祭り」と呼ばれる日ですが、この花祭りこそ、ブッダの誕生を祝うお祭りなのです。 あま…

木魚 ~受け継がれる技術と伝統~

寺院に欠かすことのできない木魚。 しかしそんな木魚を製造している工房は現在、日本のなかでも愛知県内に数える程度しか残っていない。 しかも後継者問題が深刻だという。 なんとも危機的な状況である。 この危機を打開するためにはどうしたらいいのか。 木…

仏具の磨き方 ~金色の輝きを取り戻す方法~

仏具って金色に輝いていたりして美しいですよね。 でもその輝きも、残念ながら時間の経過とともにやがてはくすんでしまいます。 ご自宅の仏具、くすんでませんか? 金属製品を磨くには、専用の研磨剤を用いるのが一番です。 研磨剤を塗り付けて、あとは布な…

「メロンパンリリース・イン・THE永平寺」

永平寺ではたまにおやつが配布されることがある。 夜参(やさん)と呼ばれるそのおやつタイムは、おやつのゴールデンタイムである午前10時でも午後3時でもなく、夜の9時半ころに前触れもなく突然やってきた。稀に突如開催されるおやつタイムを、たいていの者…

「僧衣で運転」反則切符に対する論調に対する違和感

僧衣を着て車の運転をしていた僧侶が「運転操作に支障がある衣服」という理由で交通反則切符(青切符)を切られた問題に関して、いろいろと状況がわかってきたので考察してみたい。 世間(主に仏教界)では「僧衣というだけで違反なんてありえない」とした論…

【禅語の本】禅の入門書にオススメ『糧になる禅語』の内容をご紹介

『糧になる禅語』は、禅語を題材にしたフォトエッセイです。 禅語というものが真実の一端を端的に示す言葉であるとしたら、ただ言葉を綴るだけでなく、視覚的に直接訴えかけるものがあったほうが禅語の世界感をイメージしやすいと思い、見開き全面にフォト(…

禅宗とは? 宗派(曹洞宗・臨済宗・黄檗宗)の開祖や教えや歴史を紹介

禅宗というのは、曹洞宗や臨済宗や黄檗宗といった、禅を旨とする宗派をまとめた「総称」であって、実際に禅宗という宗派が存在するわけではない。 たとえばキュウリやトマトやキャベツなどを総称して「野菜」と呼ぶように、曹洞宗や臨済宗や黄檗宗などを総称…

陀羅尼とは呪文のようなお経 ~言葉に力が宿る神秘の経文~

仏教経典、いわゆる「お経」には、様々な種類のものがある。 それらの多くは仏の教えを文字に記したものであって、いわば仏教を学ぶための教科書のような性格の書物となっている。 漢字の羅列や難解な言葉、古い語体などによって呪文のように聞こえることも…

仏暦とは? ブッダ(お釈迦様)が亡くなった年は何年?

現在の日本で用いられている紀年法は、おもに西暦と和暦の2つ。 ご承知のとおり、西暦はキリストの生まれた年を紀元とした紀年法で、和暦は元号と年数を用いた日本独自の紀年法。 実生活上でこれら2つ以外の紀年法が用いられることはまずないが、存在として…

寄付で支援したいNPO・NGO団体等【おすすめ18選 まとめ】

もっとも根本的な問題として思うのは、そもそも寄付を必要としているNPO法人等との接点がなく、魅力的なNPO法人を「知らない」ことではないかと思う。 どのような理念のもとに、どのような団体が、どのような活動をしているのか。 そこのところを知らなけれ…

法話(説法)って何? 仏教の話の専門家「布教師」にインタビュー

僧侶のなかには、話をすることで仏法を伝えようと、布教・伝道に尽力される方がいる。 そのような「仏教の教えを説く話」を法話とか、説法とか、あるいは説教などと呼ぶ。 また、そういった話をされる方々は、布教師や説教師と呼ばれてもいる。 寺院の檀家さ…

戒名に「変な漢字」が使われている本当の意味

墓石に刻まれた故人の名前、戒名。 その戒名を見て、 「あれ? なんでこんな漢字が使われているんだろう?」 と不思議に思ったことはないだろうか。 戒名というものは宗派によって考え方が少々異なるため、法名と呼ばれることもあるが、総論として、これらは…

紙が、ない。

登山では、準備段階における排便の有無が死活問題に直結するという笑い話のような笑えない話を聞いたことがあるが、何も排便の有無は登山時のみ重要となるわけではない。 日常生活においても、朝、出発前にきちんと排便できていると気持ちがスッキリする。さ…

障道 ~仏道修行を障げるもの~

禅には障道(しょうどう)という言葉がある。 読んで字の如く「仏の道を障(さまた)げるもの」という意味である。 仏道などと改まらなくても、たとえば家で勉強をしようとしていたとき、ふと目にした新聞のテレビ欄に面白そうな番組があって、その番組が気…

永平寺の七不思議

曹洞宗の大本山であり、禅の修行道場として名高い永平寺には、いつ頃から語られ始めたのか定かではない「七不思議」が存在する。 少々不気味で、しかし妙なリアリティもある永平寺の幽霊物語を、ひっそりとご紹介しよう。 ①夜鳴杉 ②七間東司 ③山門柱の礎石 ④…

「忙しいと心を亡くす」は事実 ~善きサマリア人の実験~

「忙」という漢字は、心を意味する立心偏「忄」に、「亡」という旁が組み合わさってできている。 そのような成り立ちによる漢字であるがゆえに、「忙しいと心を亡くすよ」との安直なアドバイスを耳にすることもある。 しかしどうやら、その解釈は間違いでは…

【写経セット】般若心経の現代語訳の冊子&筆ペン付きで新発売

大阪府堺市に社をかまえる山本紙業から発売された写経セット「大人の教養 写経」。写経セットとしてはめずらしく、般若心経の現代語訳が記された冊子が付属されており、書くだけでなくお経の意味を知ることで、より写経が奥深いものに。岐阜県美濃市にある霊…

永平寺での修行中にやらかした最大の失敗 ~これがケチラシだ~

永平寺では、ミス(失敗)のことを「ケチラシ」と呼ぶ。 調べたことはないが、おそらくは「蹴散らし」の意味なのだろう。 蹴散らしという言葉の意味は2つあって、1つは敵をあっさりやっつけること。「雑魚を蹴散らして進軍する」というような用法である。 も…

お茶出しのマナー「右からだっけ? 左からだっけ?」に悩む方へ

お客さんがやってきた。さて、お茶を出そうか。 そんなときに、ふと心配になるのが「正しいお茶の出し方」。 相手が気心の知れた友人であれば細かなマナーを気にしなくても問題はないだろうが、仕事相手や客人ではそうも楽観的にしていられない。 かしこまり…

六曜の意味と機械的な割振りの事実を知っても、まだ六曜を気にする?

カレンダーなどに記載されている六曜で物事の良し悪しを決める習慣は、科学的思考や合理的判断が浸透している現代社会においても根強く存在している。 たとえば、 友引の日に葬儀をすると、弔問に訪れた友を一緒にあの世へ連れて行ってしまうようで縁起が悪…

【テレホン法話】お坊さんの話が聴けるフリーダイヤルがある

お坊さんの話、ちょっと聴いてみたいなぁ。 そんなことを急に思い立つ方がどれほどいらっしゃるかはわからないが、そのようなサービスを提供している仏教宗派・機関・寺院は多くある。 正式な名称はそれぞれだが、おおむね「テレホン法話」と総称される専用…

禅とは何か ~言葉の意味と仏教との関係~

禅という言葉は、サンスクリット語の「ディヤーナ」、パーリ語の「ジャーナ」の漢訳である。サンスクリット語とはインドに古くから存在する由緒正しい言語で、パーリ語はその俗語。 日本でいう標準語と地方の方言みたいな関係と大雑把に考えていただければい…