禅の視点 - life -

禅語の意味、経典の現代語訳、仏教や曹洞宗、葬儀や坐禅などの解説

身近な仏教用語

「五色幕」「仏旗」「六金色旗」の意味 ~仏教の色に関する面白い話~

「五色幕」「仏旗」「六金色旗」とは何なのか? お寺に五色の幕が掛けられているのを見たことがありますか? これは「五色幕(ごしきまく)」と呼ばれるもので、そこが仏教の寺院であることを示す、言わば「仏教の幕」みたいなものです。下の画像に映ってい…

ブッダの出家の契機を綴った「四門出遊」の話が極めて重要な理由

ブッダの出家の契機を綴った「四門出遊」の話が極めて重要な理由 ご存じでしょうか。仏教の創始者であるブッダは、出家する以前、シャカ族という一族の王子であったことを……。 「ブッダ」と言うと清貧なイメージがあるかもしれませんが、もともとの身分はい…

無縁墓は「縁の無くなった墓」とは限らない 

仏教における「無縁」の話 「無縁」という単語をくっつけた言葉をたまに見聞きする。良い意味で使われているケースは、まずない。 パッと思いつくところでは、「無縁墓」「無縁社会」「無縁死」。どれも言葉の後ろにひっそりと静まりかえったような淵を感じ…

檀家とは? ~檀家制度、菩提寺、檀信徒の意味や問題点など~

檀家ってなに? すべては寺請制度からはじまった 経済的安定と宗教的堕落 菩提寺とは? 檀家 = ダーナパティ = 施主 「檀家」よりも「檀信徒」を推奨 「信教の自由」と檀家制度 憲法20条 信教の自由 関わり合いの濃度 檀徒とは? 信徒とは? じつは信徒の…

僧侶・お坊さんの呼び方の種類と意味【曹洞宗版】

僧侶の呼び名にはかなりの種類がある。 そのなかのどれがもっとも相応しい呼び方なのか、これを考えるのはなかなか悩ましい。そこで、代表的なお坊さんの呼び方と、その意味についてまとめてみたい。住職、和尚、お坊さん、方丈、おっさま、雲水さん、若さん…

合掌の意味と、その心 ~人はなぜ手を合わせるのか?~

合掌はもともと、サンスクリット語のアンジャリ( अञ्जलि )という言葉で、意味は「捧げる」といったものでした。 それが仏教にも取り入れられ、後世に漢字へと訳された際に「合掌」と表記されるようになります。 また、時代を経ていくうちに、合掌にはいろ…

「あみだくじ」の語源と阿弥陀如来 ~身近な仏教用語~

アタリ、ハズレ、あるいは順番などを決める際に便利な「あみだくじ」。 人数分の線を引けば必ず全員が別のゴールに行き着き、かつ「どこに行くかな~」と指で線をなぞるときのゲーム性を秘めたあみだくじは、盛り上がりと平等性と簡易性が相まって、年代を問…

禅問答って何? その意味と知られざる成立過程と例話をご紹介

本来の意味は言葉どおり「禅の問答」、すなわち、禅僧らが交わしてきた悟りに関する言葉や動作のやりとりである。 けれどもそこで交わされるやりとりがあまりにも非論理的・抽象的であることから、「意味のわからないやりとり」を指す言葉として禅問答という…

精進料理は菜食を意味するのではない ~仏教における肉食の解釈~

辞書に書かれている「肉食せずに菜食すること」という意味は、精進という言葉の2番目の意味となっており、1番目ではない。 では1番目にはどのような意味が書かれているかというと、こう書いてある。 「修行に励むこと」 そう、精進という言葉の意味は「修行…

輪廻とは何か?何が輪廻しているのか? 【身近な仏教用語】

通常、世間一般的な理解としての輪廻は、おそらく次のようなものである。 人は死後、肉体や物質的なものではない精神的な何か、いわゆる魂とよばれるようなものが身体から抜け出し、別の命に宿り、次の人生を生きるようになる。それはこの人間の世である場合…

「弾琴のたとえ」 ~仏弟子ソーナと中道の教え~

「ソーナ、あなたは出家する以前、琴を弾くことが巧みだったという話を聞いたことがあるが、そうだったろうか?」 「はい、多少なり琴には心得があります」 「では訊くが、もし琴の弦があまりにも強く張られていた場合、琴はよい音色を奏でるものだろうか」 …

「無我」の話

デカルトの「我思う、ゆえに我あり」の言葉は、存在するものが絶対に虚構ではないと言い切ることができなかったとしても、そのようにして何かを考えている自分だけは存在しているという主張だが、それはあくまでも脳が自分を認識しているという話だ。 物体と…

忌中と喪中の違いは「期間の違い」なんかじゃない。

忌中と喪中の違いは、期間の違いなんかじゃなく、まったく意味が異なっている。忌中が身を慎む公のルールに等しいのに対し、喪中はあくまでも自分の心の状態を意味している。大切な人を失って悲しいという気持ちが「喪」であり、したがってその悲しい気持ち…

ブッダが教えてくれたこと ~四聖諦と八正道~

ブッダが教えてくれたこと ~四聖諦と八正道~ 仏教とは「仏の教え」のことです。「仏」というのは紀元前5~6世紀のインドに実在したゴータマ・ブッダ、いわゆるお釈迦さまのことを指していますので、「仏の教え」は「ブッダの教え」と理解することができま…

【応病与薬】仏教は相手によって言葉を変える

医者は患者の病に応じて処方する薬を変える。 それが応病与薬。 痛みを抑えるために痛み止めを処方するように、症状に合わせて薬は処方される。 ただし仏教でいうところの応病与薬とは、実際の薬剤のことを指しているのではなく、言葉それ自体を薬に見立てた…

馬鹿の語源は仏教 ~愚鈍な仏弟子パンタカの悟り~

なぜ馬鹿と書いてバカを意味するのか。「馬」と「鹿」を合わせて馬鹿(バカ)となるから、バカとは馬を鹿と間違えるような者のことだと思われることもあるが、じつは馬鹿の語源は意外にもはっきりしていない。 馬鹿という言葉の語源にはいくつかの説があるが…

正念場は仏教用語? 歌舞伎用語? マインドフルネスとの意外な関係

そんな正念場という言葉は、もちろん「物事の最も重要な局面」を意味する言葉である。 そしてこの正念という言葉は、じつは仏教用語なのでもある。 仏教用語としての正念あるいは性根が歌舞伎のセリフとして使用され、そこから正念場や性根場という言葉が生…

五蘊(五陰)「色・受・想・行・識」の意味とは? ~仏教用語解説~

五蘊 ご うん(五陰 ご おんともいう)という仏教用語は経典のなかでたびたび目にする言葉であり、仏教が考える人間の構成要素の基本となっています。 しかしながら、人間の物質的な部分と精神的な部分を計5つに細分化した五蘊という考え方は、その細かな名…

六根(眼耳鼻舌身意)と六境(色声香味触法)と六識の意味

六根(眼耳鼻舌身意)と六境(色声香味触法)と六識の意味 仏教書を読むなどして仏教について学んでいると、けっこうな頻度で専門的な仏教用語と出くわす。 ある程度読み慣れて仏教知識が身についていけば、いちいち辞典等で意味を調べなくても読み進めてい…

「未曾有」ってどういう意味? 【身近な仏教用語】

東日本大震災から今年で7年。 あの災禍がもたらされてから、メディアでよく見聞きするようになった言葉がある。 未曾有(みぞう)。 訓読みすると、未だ曾て有らず。 「これまでに存在しえなかった」という意味を持つこの未曾有という言葉は、じつはもともと…

会釈の本来の意味 ~身近な仏教用語~

立ち止まって話をするほどでもないのだけれど、素通りしたのでは失礼にあたる。 そんなときは笑顔で少しだけ頭を下げて軽くおじぎをするのがベター。 つまりが、会釈(えしゃく)である。 じつはこの会釈という言葉、もとは仏教用語なのをご存じだろうか。 …

「世知辛い」ってどういう意味?【身近な仏教用語】

世知辛いという言葉の現在の用法を一言で説明すれば、これはおよそ「世渡りがしにくい」というほどの意味として使われている。 あるいはもっと単純に、「勘定高い」「ケチ」「せこい」という意味としても使われる。 ただ、なぜそのような意味になるのかは意…

分別のある大人になるより、無分別の悟りを開こう

仏教でいう分別とは、対象を識別していく頭の働きをいう。 善悪をわきまえるということであれば、この行動は善、あの行動は悪、というように、頭で判断して識別するのが分別。 これは一般的に使用される分別という言葉と概ね同じ用法・意味である。 しかし、…

退屈な人に読んでほしい、仏教用語「退屈」の話

なぜ「退く」「屈する」という2つの漢字を組み合わせた「退屈」という熟語で、暇な様子が表現されるのか、少々不思議に思われはしないだろうか。 退くも、屈するも、退屈という意味とは少し違うような漢字に思えるし、どちらも「挫折」に近いニュアンスの言…

お彼岸とは何か? 仏教行事として考える彼岸の意味

お彼岸というのは仏教行事と考えられているが、もともと仏教に彼岸という行事はなかった。 インドにも中国にも彼岸という仏事は存在せず、意外にもこれは日本独自の行事なのである。 しかも日本における彼岸の歴史は古く、『日本後紀』には崇道天皇の供養の…

天上天下唯我独尊の本当の意味【身近な仏教用語】

天上天下唯我独尊という言葉は、一般的には「この世界で自分が一番だ」というようなニュアンスの言葉として使われることが多い。 自分こそがもっとも偉く、そうした傲慢な在りようを重々しくした表現した言葉であると思われがちだが、実際の意味はそうではな…

醍醐味ってどんな味? カルピスとの意外な関係

「行間を読むのが小説の醍醐味」 「ジェットコースターの醍醐味は出発直後の急降下」 などと使われる醍醐味(だいごみ)という言葉は、「物事の一番の面白味」「奥深い味わい」「神髄」といった意味を持つ言葉である。 この醍醐味という言葉が仏教から生まれ…

「億劫」が意味する果てしない時間 【身近な仏教用語】

億劫のもともとの読みは「おくこう(ごう)」だった。 億というのは一十百千万億の「億」で、とても多い数字であることの意味。 劫というのは億よりもさらに大きな数で、極めて長い時間を意味する言葉である。 なぜこれらのように長い(多い)時間(数字)を…

智慧と知恵の違い、「賢い」の意味、オレオレ詐欺で考えてみよう

普通「ちえ」と聞くと、大抵はこちらの漢字の「知恵」を思い浮かべるのではないだろか。けれども仏教では「智慧」と書く。 簡単に書くか難しく書くかの違いと思われがちな差異だが、仏教では両者をまったくの別物として考えている。漢字が異なるのは意味に違…

供養の意味や考え方を知ると、供養の在り方は豊かに広がる

亡き人の冥福を祈って行われる行為は、総じて供養と呼ばれる。 仏壇にご飯や水を供えたり、墓前に花を飾ったり、読経をしたり。そういったものをすべて供養と考えて、亡き人が少しでも喜ばれるように、安らかになるように、そう願って人は供養を施す。 供養…