坊主頭(スキンヘッド)にするにあたって
坊さんは髪の毛を剃っていて、見事なまでに頭がツルツルしています。見ようによってはスキンヘッドのお手本のようにも思えますが、一体どうやって剃っているのかご存じでしょうか?
言われてみれば知らないなぁ、どうやって髪を剃ってるんだろ?
「鬚を剃る要領で髪を剃るにしても、後頭部などは見えないのにどうやって剃るのか?」「カミソリを使っているのか、それとも電気シェーバーか?」
「技術が必要なのか、床屋に行ったほうがいいのか、自分でも剃れるものなのか?」
そのような「坊さんの髪の剃り方」について疑問に感じている方、あるいは坊主頭(スキンヘッド)にしたいと考えている方々のために、私、実際の坊さんが髪の毛の剃り方について説明させていただきたいと思います。
スキンヘッドが特に珍しくなくなった今、髪の毛を剃ることを前向きに検討するようになった方も少なくないでしょうから、そんな「剃り初心者」の方々のための情報源になれば幸いです。
坊主頭を取り巻く現状
- 坊主頭は印象が悪い。
- 社会人として坊主頭はNG。
- スキンヘッドは反社会性を象徴する髪型。
などなど。
そんな偏見っぽい風潮は今でも存在しますが、20年も前と比べれば随分と和らいだのは間違いないでしょう。
「ベリーショート」「おしゃれボウズ」といった言葉(髪型)が流行ったあたりから、坊主頭に対する世間の目は寛容と憧れを帯びたものに変化しはじめたのだと、個人的には思っています。
それらの髪型は高校球児のようなただの丸坊主とは一線を画し、緻密に計算された上での「非常に短い髪型」と呼ぶべきもので、ここで扱うスキンヘッドを含む坊主頭とは別のジャンルの髪型であることは、はじめに断わっておいたほうがいいかもしれません。
プチ・モヒカンみたいな短い髪型ってカッコイイもんね
増えるスキンヘッダー
ただそれでも、「非常に短い髪型」が世間に認められたことで、スキンヘッドに対しても寛容なまなざしが向けられるようになってきた事実は見過ごせません。
また、モヒカン、ドレッド、アフロ、金髪、アシメ(左右非対称)のような従来ではほとんど目にすることがなかった特殊な髪型が増え、テレビ等でも頻繁に目にするようになり、一般化し、個性的な、あるいは奇抜なものへの免疫が社会全体で獲得されてきたことも、スキンヘッドにとって追い風となったことは間違いないでしょう。
このような経緯もあって、最近は頭をスキンヘッドにしている人を本当によく見かけるようになりました。
一昔前なら、スキンヘッドというのは「普通ではない」というイメージが常に付きまとい、おいそれとは手を出すことのできない領域に存在する髪型(髪はないが)だったはず。それが今では珍しくも何ともない。
きっと、スキンヘッドよりも強烈で目立つものがいくらでも存在するようになったことも関係しているのでしょう。
だからスキンヘッドで人混みを歩いても、誰も頭を注視しない。金髪が珍しくなくなったのと同じで、だれもそこに特殊さを感じなくなったのです。
1つの髪型として市民権を得ていると言えるかどうかは微妙なところではありますが、少なくとも現代日本においてスキンヘッドは特別なものではなくなりました。
スキンヘッドは、もはや数ある髪型の一種にすぎない
スキンヘッドにする理由
仮にスキンヘッドが市民権を得たのだとしても、それは髪型の選択肢が増えただけのことのようにも思えます。
なぜ人は、数ある髪型のなかから、あえて髪の毛を剃るスキンヘッドを選ぶのか。
それにはいくつかの理由が考えられます。
薄毛対策
まずは現実的な理由からですが、おそらくこれが一番多い理由かもしれません。
ずばり「薄毛に悩んで」。
薄毛だって1つの髪型だろう! すでに市民権を得ているだろう!
どうにも薄毛をカバーすることができなくなり、思い切って剃ってみたというパターン。「隠そうとするからバレるのであって、最初から開け放てばバレるもくそもない」という、コペルニクス的思考転換。
この理由でスキンヘッド生活に突入した人は相当多いはず。
髪が生えていると、生えていない箇所や薄い箇所との対比が生まれてしまうわけで、いっそのことすべて剃ってしまえばそもそも比較が生まれないのではないかという狙いが、この理由には明らかに存在しています。
ただし現実には、「スキンヘッドにしようが何をしようが薄毛であることは見ればわかる」という指摘がなされることも事実。哀しいですが、それははじめに心得ておきましょう。
なので、もし薄毛対策の裏技としてスキンヘッドを選ぶのだとしたら、結局薄毛であることはバレることを承知した上で髪を剃ったほうがいいでしょう。
カモフラージュになっているかどうかは、やや微妙なところというわけです。このことはくれぐれも留意しておいてください。
スキンヘッドは、追い詰められた9回裏での逆転満塁ホームランではない
羨望
海外では坊主頭やスキンヘッドの人が意外と多い。しかも、なぜかとても格好良くみえる。高校球児のようなただの丸坊主でしかないはずなのに、オシャレさがあふれ出ている。
そんな姿を見れば、純粋にスキンヘッドという頭に憧れを抱いても何もおかしくないですね。
数としては少ないかもしれませんが、単純にスキンヘッドに憧れて、という理由で髪を剃る人もいることでしょう。
スキンヘッドが似合う人は、日本人でも格好良く見えます。個人的な意見ですが、スキンヘッドは体格のよい人物のほうがよく似合うと思います。
やせ形よりも筋肉質。色白よりも焼けた肌。多少いかついぐらいの雰囲気になったほうが、スキンヘッドにはちょうどいい。
スキンヘッドを検討していて体格には自身があるという方は、ぜひ一度スキンヘッドに挑戦してみはいかがでしょう。大丈夫、もしダメでもすぐに生えてくるから心配はいりません。
スキンヘッドの似合い具合は体格に左右される
楽ちん
髪がないということは、その分のメンテナンスが不要になるということ。
つまり髪を洗う手間が楽になり、髪型をセットするという時間を省くことができるようになる。
シャンプーもリンスも整髪剤も不要。お風呂ではボディソープで頭も含め全身丸ごと洗ってしまえばいいし、朝起きて鏡を見てびっくりというような寝癖の心配も皆無。
むしろ、「久々に寝癖に出会ってみたいものだ」と、寝癖に懐かしさすら感じるものです。要するに、とても楽ちんなのですね。
ただし、獲得した楽ちんと引き換えに、「髪を剃る」という新たなメンテナンスが1つ登場することになり、そちらの行為のほうが洗髪やセットよりもむしろめんどくさいという意見もあるにはあります。
剃るほうが面倒だったら、ぜんぜん楽にならないじゃん!
髪を剃る頻度にもよりますが、たとえば常にスキンヘッドを維持するのであれば、1~2日おきに剃る必要がでてきます。短いだけに、伸びた分がすぐにわかってしまうのです。
実際のところ、スキンヘッドをこよなく愛する方々は、鬚を毎日剃るのと同じように髪を毎日剃っていると聞きます。
そうなると確かにけっこうな手間かもしれません。まあ、慣れれば5分ほどで綺麗に髪を剃れるようになるのですが、楽かどうかはその人の感覚次第ということになるでしょうか。
髪を剃るのは慣れれば5分
髪の毛の剃り方
では、本題である髪の毛の剃り方に移っていきましょう。
もし髪が長い(1cm以上)場合、そのままでは剃ることが不可能なため、まずはバリカンで一度髪の毛全体を限界まで短くしておく必要があります。
くれぐれも注意していただきたいのですが、長さが1cmを超えていれば十分に長く、この界隈では「ロン毛」と呼ばれる対象となります。そして、ロン毛は剃りには不向きです。
バリカンにはたいてい髪の毛の長さを調節してカットするためのアタッチメントが付属されており、可能な限り短い状態で剃りはじめたほうが短時間できれいに仕上がるので、アタッチメントは1番短く刈れる長さに調節し、髪の毛を刈りましょう。
ちなみにアタッチメントは、1番短い設定が3mmという場合が多いです。3mmの髪の毛でも楽に剃るには少々長いのですが、剃れないわけではないので、もし家に3mmで刈ることのできるバリカンがあればそれを使用すれば問題ありません。
「cm越え」はロン毛
髪を剃る(シェーバー)
バリカンで全体を短くしたら、いよいよ剃りに移ります。
といっても特別難しいことは何もなく、電気シェーバーを使うのであれば、鬚を剃る感覚と同じように頭に直接あてればOK。
後頭部であっても目で見えない箇所であっても、怪我をする恐れもなく安全に剃ることができます。
ただし、剃った仕上がりの美しさとしては、どうしてもカミソリには負けます。
シェーバーではどんなに深剃りを試みても、カミソリで剃った1日後の長さまでにしかなりません。理由はもちろん、刃が直接頭皮に当たらないため。
しかも、やってみればよくわかるのですが、髪の毛というのは鬚とは比べものにならないほど量が多く、シェーバーできれいに剃るにはかなりの時間を要します。
シェーバーのほうが簡単のように思われがちなのですが、慣れればカミソリを使ったほうが断然楽で仕上がりも美しい。
このことはぜひとも覚えておいていただきたいと思います。
シェーバー < カミソリ
髪を剃る(カミソリ)
それで本命のカミソリを使う場合ですが、シェービングフォームを頭全体にのばし、鬚を剃る感覚で髪を剃ることになります。普通ですね。
髪の毛はだいたいつむじから放射状に広がる向きで生えているので、毛流れに逆らわないように剃ったほうが皮膚への負担は当然少ない。
鬚を剃る際に逆剃りをして肌がヒリヒリしたという経験を持つ男性は多いでしょうが、それとまったく同じで、頭も逆剃りをすると頭皮へダメージを与えることになってしまいます。
ただし、毛流れに沿って髪を剃るだけでは、やはり深剃りはできません。
本当にツルツルを目指すのであれば、逆剃りまではいかなくても、毛流れに対して垂直にカミソリを入れるくらいはしたほうがいいでしょう。横剃りとでも言えばいいんですかね。
それなら頭皮へのダメージを最小限に抑え、かつツルツルに剃ることができます。
なので最初は毛流れに沿って剃り、2巡目に剃り残しをなくす意味も兼ねて垂直方向から剃るのが、私のオススメする方法。二巡目の際には、新たにシェービングフォームを追加したほうが剃り良いです。
深剃りのためでも、逆剃りよりは横剃り
見えない箇所について
後頭部などは目では確認することができないので、手で触って剃り残しがないかしっかりとチェックしましょう。剃れていない箇所はジョリジョリするのですぐにわかります。
あと、耳の周りと襟足は普通に剃ると毛を剃り残してしまうことが多いので、ここだけは逆剃りするのも1つの手。
とくに襟足の生え際というのは、産毛のような柔らかく真っ直ぐに伸びていない毛があり、それらは逆剃りのほうがきれいに剃ることができます。力を入れて頭皮に押し当てる必要はないので、スッスッと軽くなでるように襟足を剃ると綺麗に仕上がります。
襟足を剃る際のもう1つのポイントとして、生え際よりも5cmほど下のあたりから剃ることをオススメします。そうしたほうが剃り残しがなくなります。
普段自分の襟足なんて目にすることがないのでわかりにくいと思いますが、襟足って生え際と思われる箇所よりだいぶ下まで、産毛のような細い毛が生えていることが多いんです。
この産毛に限っては手で触っても気が付きにくく、しかし人が見ればはっきりと剃り残しとわかってしまうものなんですね。
なので襟足に関しては「思っているよりも下から剃る」ようにしましょう。
首筋は5cm下からでちょうどいい
永平寺での剃り方
ちなみに、永平寺ではカミソリを使用して髪を剃っています。鬚を剃る用で売られているT字型の安全剃刀です。直刃カミソリは怪我をする危険があり、ある程度の慣れと技術が必要なので使用していません。
剃り方はいたって普通なのですが、強いて言えば自分で剃らないところが永平寺の特徴といえるかもしれません。
永平寺では2人1組になって向かい合って正座し、片方が頭を下げて、もう片方が相手の髪を剃るのです。剃り終わったら役割をチェンジして、剃っていた者が頭を下げて、今剃ってもらった者が、今度は剃る番になる。
それが剃髪の正式な作法なのです。
刃の当て方や力の入れ具合など、若干の上手い下手はありますが、T字型カミソリであればほとんど大差なくきれいに仕上がります。現代のT字型カミソリは高性能なものに進化しているということですね。
T字型カミソリに感謝しかない
オススメの髪剃りカミソリ
電気シェーバーよりもカミソリのほうがきれいに仕上がることから、私はT字型カミソリで髪を剃っています。危険なことはないし、すぐに慣れるので、難しいことは何もありません。
怪我をしないか気になるかもしれないが、あからさまに横滑りさせなければ怪我の心配はほとんどありませんので安心してください。
実際に頭を剃ってみるとわかるのですが、髪の毛は鬚よりもはるかに剃りやすいのです。顎や口の周りのように複雑な形状をしておらず、卵のようになだらかな曲面をしているので、非常に剃りやすい。
シックかジレットか
使用するカミソリのメーカーで向き不向きやオススメの物があるかという点についてですが、どれも一緒かと思いきや、これがはっきりと向き不向きがあるんですね。
巷でよく使用されるカミソリは「シック(Schick)」か「ジレット(Gillette)」じゃないですか? 両者がカミソリ界の2トップであると私は勝手に思っています。
それでどちらが髪を剃るのに適しているかといえば、これは完全にジレット。
理由は、なぜか刃の間に髪の毛が詰まらないから。もしくは、詰まっても水でバシャバシャするとすぐにとれるから。
剃り味はむしろシックのほうが好きなのですが、如何せんシックは刃の間に髪がよく詰まる。何が原因で詰まるのかよくわからないのですが、詰まるとそれを取り除く作業が非常に手間なのです。
桶の中にためた水でバシャバシャしても、スッキリとれない。仕方なく古い歯ブラシで刃の間を磨いて取り除くのですが、一々そんなことをしていては非常に効率が悪い。
その点、なぜかジレットは刃の間に髪の毛が詰まりにくい。水でバシャバシャすればすぐに元に戻るので、効率的に剃ることができます。
髪の毛は鬚と違って剃る毛の量が半端でなく多いです。それだけ詰まりやすいということでもあるので、刃の間に髪の毛が詰まりやすいかにくいかは、カミソリを選ぶ上で極めて重要な判断材料となるのです。
ジレット1択の無双ぶり
永平寺で使用するカミソリ
ちなみに、永平寺でもカミソリはジレットを指定しています。
シックの開発担当の方は、全国のスキンヘッド愛好家と坊さんを味方につけるために、刃の間に髪の毛が詰まりにくいカミソリの開発を急いだほうがいいかもしれませんね。
剃り心地ではシックのほうが上なのです。私も鬚は必ずシックで剃ります。これで詰まり問題さえ解消されれば……と思っている人は少なくないはず。需要は、きっとある。
永平寺のカミソリはジレット
髪の毛を剃るタイミング
私は髪を剃る際、夜にお風呂に入ったついでに剃っています。湯船で体を温めておいて、洗い場に出ておもむろに髪を剃る。それが一番楽で、効率的かなと。
以前は風呂ではなく洗面所で剃っていました。鬚を剃る要領で朝に剃ったりもしましたが、剃ったあとに頭をきれいに流すという作業がどうもやりにくい。
もちろんできないことはないのですが、襟足の下まで剃るため、流す際にどうしても服が濡れたり、あるいは流しきれていないのではないかという不安が残ったりすることがありました。
それがどうにも煩わしかったので、今では風呂で剃るようにしています。風呂なら間違いなくきれいさっぱり洗い流せますからね。
夜に風呂で髪を剃ることの欠点としては、翌朝になるとわずかに髪が生えてきていることでしょうか。本当にツルッツルで一日を過ごしたいなら、就寝時間のロスは痛手かもしれません。
したがって、朝風呂派の人が風呂で髪を剃るというのが、スキンヘッドにはもっとも適していると言えます。
「朝風呂 ✕ 風呂剃り = 最強」説
シェービングフォームかボディソープか
風呂で髪を剃るようになると、自ずと考えはじめてしまうのが潤滑剤問題。つまり、髭剃り用のシェービングフォームを使用するか、それともボディソープを代用としてしまうか、です。
これは何種類ものボディソープで実際に検証し、思考錯誤をした結果、やはりシェービングフォームを使用したほうがいいという結論に達しました。
ボディソープでも可能ではあるのですが、滑りが劣ることと、肌が柔らかくなりすぎてしまうためか、肌へのダメージが大きくなったことから、やはり適しているのはシェービングフォームであることが明らかになりました。
ボディソープで剃ると、剃ったあとがちょっとヒリヒリするんです。個人差かもしれませんが。特に、洗ったあとに肌がキュッキュッとなるタイプのボディソープは完全に適していません。怪我します。
どうせなら体の洗いついでに剃ってしまいたいと思うかもしれませんが、ここは我慢。もし怪我をすると化膿する可能性もありますので。
怪我をしてしまうと、次に剃る時が非常に厄介なんです。口周りと違って頭は目視できない箇所が多く、誤って傷口に刃を当てるとまた血が出てしまうという悪循環が発生し、なかなか治らないということになりかねません。
餅は餅屋という言葉もあるでしょう。剃りは剃り屋のシェービングフォームに任せましょう。
ボディソープの誘惑に負けてはいけない
ニベア クリームケア ボディウォッシュ
と、思ってこれまでシェービングフォーム主体で剃ってきたのですが、じつは最近新たなボディソープが我が家の風呂に登場しました。誰が買ってきたのかは知りませんが、新しいものがあればとりあえず使ってみたくなる性格なものだから使ってみましてね。
そしたらびっくり。中の液体の粘度が凄まじいのです。
ノズルから出る時に、ムニョンと出てきて、納豆のように糸を引く。体を洗ってシャワーで流しても、保湿というよりも、何というか、ヌメリ感が落ちない。
一体これは何なんだと思ってパッケージを見たら「ニベア クリームケア ボディウォッシュ」と書いてありました。まさかあのニベアがボディソープを出しているとは知りませんでした。
保湿力は凄まじいがまったくサッパリしないので二度と使わないでおこう思ったのですが、ふと、頭をよぎるものが。
「これは、髪を剃るのには適しているのではないか??」
実際に使用してみると、これが的中。滑り具合も申し分なく、ダメージ感もほとんどない。さすがニベアだけあって、まったくヒリヒリしない。
細かく検証すればやはりシェービングフォームのほうが優れているのかもしれませんが、ボディソープの中ではダントツで剃りに適していたのです。恐るべしニベア。
ニベア クリームケア ボディウォッシュの誘惑には負けてもよい
坊主頭にする際の注意点・デメリット
最後にスキンヘッドに関する注意点やデメリットなどを確認しておきましょう。
何事も、メリットがあればデメリットもある。両者を知らないまま判断すると、思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれませんからね。
カミソリの刃の交換時期
髪を剃るときに使用するカミソリは、もちろんある程度の時期で交換をしていかなければいけません。
使い続けることで刃の切れ味は必ず落ちてきます。すると段々きれいに剃ることができなくなり、何度も刃を頭皮にあてることになります。変な力みも生じ、その結果怪我をする可能性も高まり、さらには雑菌も付着しやすくなります。
頻繁に替えたほうがいいのはもちろんそのとおりなのですが、問題は財布との兼ね合い。毎日使うのであれば2週間ごとに替えていけるくらいが理想ですが、それだと相当に費用がかさみ過ぎます。
使用頻度にもよりますが、現実路線では「月に1回程度」といったところでしょうか。
1ヶ月使えば明らかに切れ味が落ちてくるので、なんだか剃りにくくなったと感じはじめたら、刃は限界が近いと考えるようにしておきましょう。使用頻度が週に1度くらいであれば、2~3ヶ月ほど引っ張ることもできるので、やはり剃り味と相談するのがいいと思います。
ちなみに私はなるべく節約をしたくて最低でも3ヶ月は同じ刃を使ってしまいますが、最後のほうは本当に切れ味が落ちてきます。同じところを何度剃っても剃れていないということが起き始めるので、やはり3ヶ月をこえたら確実に替え時なのでしょう。
新しい刃に替えたときの切れ味の鋭さに毎回驚く
直射日光・冷気
髪の毛があったころはなかなか気付きませんでしたが、髪というのはしっかりと頭を守るという役割をはたしています。夏は強烈な日差しが頭に直に当たることを防ぎ、冬は冷気を遮断して頭を保温する。
その髪がなくなったということは、急所がノーガードで外界に晒されているということを意味します。体調を崩したり風邪を引いたりすることもあるので、寒い時期には帽子などを活用して適切な温度等に保つことも意識しておいたほうがいいでしょう。
ノーガードになると、寒い
仕事への支障
職種によってはスキンヘッドに限らず、有髪の坊主頭でもNGというところがあります。とくにサービス業は厳しい。
「髪型は個人の自由だ」などと持論をまくしたてたところで、客商売では態度や雰囲気すらも売り上げに反映されてしまいます。不清潔に見えたり、威圧的に見えるのは御法度。
スキンヘッドで売り上げが落ちた、なんていうことになったら面倒で仕方ないので、少しでも気になる場合は上司なりに一言確認を入れたほうがいいかと思います。
また、就職活動や転職活動などの最中であれば、あえてスキンヘッドで挑むことは到底オススメできません。これは単純な見た目の印象だけの問題ではありません。就活にスキンヘッドで挑んでくる心理のほうが、むしろ面接官にとっては理解ができないでしょう。
相手からどう思われるかを考えることができない人物であれば、うちで雇っても仲間やお客さんとうまくやっていくことができないかもしれない。というか、できないだろう。よって不合格。こう考えられたらおしまいです。
スキンヘッドは時を選ぶ
メンテナンス
髪の毛は1日に約0.3~0.4mm伸びると言われています。新陳代謝によって伸びるスピードは若干異なるようですが、個人差なども含め、およそ人は1ヶ月に1cm前後髪の毛が伸びるということになります。
cmの領域というのはスキンヘッド界からしてみれば明らかにロン毛の領域で、それはもはや坊主頭とは認められません。カミソリで髪の毛を剃ることができる限界の長さを超えてしまっています。
つまり、それなりの頻度で髪を剃り続けることがスキンヘッドの維持には欠かせないのです。
実際、髪は剃ってから24時間も経てばもう完全に生えてきています。なのでスキンヘッドの寿命は剃ってから1日だと考えておいたほうがいいでしょう。生ものです。
ということは、厳密にいえばスキンヘッドを維持するには毎日髪を剃る必要があり、事実そのようにしているスキンヘッダーは少なくないようです。
間隔を開けたとしても、1日おきか2日おきが限度で、それ以上はもうスキンヘッドではなくなってしまいますから。
スキンヘッドにこだわらず、坊主頭でかまわないとなれば間隔はもっと開けても大丈夫ですが、間隔を開ければ開けるほど次回が剃りにくくなります。
ちなみに坊さんは4と9のつく日、すなわち4日、14日、24日、9日、19日、29日に髪の毛を剃ることが正式な規則として定められています。つまり5日おきに剃ることが規則として決まっているのです。
5日おきなら何も問題はありません。10日開けたとしても、まだなんとか剃ることは可能でしょう。しかし2週間開けるとなると、さすがに剃りにくくなります。
なので、ツルツルのスキンヘッドにこだわらなければ、この2週間というのを限度の目安にされてはいかがでしょうか。
実際には1週間に1度くらいの頻度で剃るとサイクルが安定するので、毎週何曜日は髪を剃る「剃り曜日」を定めるのも悪くないかもしれません。2週間は長いので。
スキンヘッドの寿命は剃ってから24時間
おわりに
坊主頭(スキンヘッド)にしてみたいと考える方は確実に増えてきています。町を歩いていて、頭をスキンヘッドにしている人を見かけることは「普通」にあります。
髪を剃るハードルは以前よりも格段に低くなっている。挑戦するなら、今だ……!
ただしもちろん、就活中でないことが前提である。